採用マーケティングとは?メリットとデメリットや導入事例について解説!
採用マーケティングとは?メリットとデメリットや導入事例について解説!
「今の採用手法では通じなくなった」
「採用したい人材と接点が持てない」
このようにお悩みの人事担当者の方も多いのではないでしょうか?
採用が難しくなった近年、計画的に求職者に認知や関心を広げなければ採用率は上がりません。
本記事では、今注目を集めている「採用マーケティング」のメリット・デメリットや成功事例について詳しく解説していきます。
採用でお困りの企業は、ぜひ最後までお読みください。
目次
そもそも採用マーケティングとは?
採用マーケティングは、自社に合う人材を効果的に採用するための採用方法として必要な考え方です。
採用マーケティングを導入するには、採用ブランディングとの違いや従来の採用との違いを明確にしなければなりません。この章では、
- 採用マーケティングの考え方
- 採用ブランディングとの違い
- 従来の採用活動との違い
について解説していきます。
採用マーケティングの考え方
採用マーケティングとは、採用にマーケティングを用いた考え方です。
従来のマーケティングでは「顧客」をターゲットとして考えていました。採用マーケティングにおいては「求職者」をターゲットにします。
企業が求める人材のニーズに応じて職場環境を整え、ターゲット層に認知や関心を広げ内定から活躍までの仕組みを作ることです。
採用ブランディングとの違い
採用マーケティングと似た言葉に、「採用ブランディング」という言葉があります。
まず、採用マーケティングと採用ブランディングの違いについて解説します。採用ブランディングとは採用マーケティングの前段階のことです。
企業が求める人材を採用するために、認知度や興味を高め戦略的にブランド化していきます。様々な手法を用いて自社の魅力を発信することで、イメージを上げることができる施策です。
そして、採用ブランディングの次に行う施策が採用マーケティングです。自社の採用ブランドを明確化し、自社の魅力を潜在層にもアピールすることで、入社意欲を高めていきます。
従来の採用活動との違い
昔の採用活動は求職者の人口が潤っていたため、集まった応募者の中から自社に合う人材を選ぶことができました。
しかし、現代の日本では少子高齢化による労働人口の減少や新型コロナウイルスによる働き方の多様化により、人材の採用が困難になっています。
そのため、企業は転職顕在層や転職潜在層へのアプローチや応募までのプロセス構築など、採用を積極的に行う必要があります。
採用マーケティングが注目されている理由
現代では少子高齢化や採用手法の多様化により、採用が困難になりました。その打開策として採用マーケティングが注目を集めています。ここでは、その理由について以下4つを解説していきます。
- 少子高齢化による労働人口が減少
- 求職者の価値観の多様化
- 採用手法の多様化
- 新卒採用の早期化・長期化
詳しく確認しておきましょう。
1.少子高齢化による労働人口が減少
現代の日本では、2008年をピークに少子高齢化が進行しています。少子高齢化による人口減少の影響で労働人口が減少し、企業間においてはより良い人材を確保するため採用競争が激化しています。
そのため、まずは採用マーケティングを用いて自社の認知を広げる必要があります。
2.求職者の価値観の多様化
求職者が希望する働き方は多様化も多様化しています。
IT技術の発展や新型コロナウイルスにより、リモートワークなど、求職者は自分のライフスタイルに合った働き方の選択が可能になりました。
特に、幼い子どもがいる求職者は在宅ワークを好む傾向にあります。そのため、自社が採用したい労働者のニーズに合わせて採用する必要があります。
3.採用手法の多様化
これまでの採用活動では、紙媒体や人材紹介、サイト利用などの手法が主流でした。
しかし最近は、IT化や新型コロナウイルスなどの影響により、SNS採用やダイレクトリクルーティング、リファラル採用、など、新しい手法が導入されていきています。自社に適した採用手法を使うことによって、採用活動をよりスムーズに行うことができます。
4.新卒採用の早期化・長期化
近年の新卒採用において、採用の早期化が進んでいます。
2023年の調査では、22%以上の大学生が3年次に就職内定を獲得しているというデータもあります。企業はより優秀な人材を確保するために大学3年生をターゲットとした就活も活発化しています。
しかし、早期化とは裏腹に学生の内定承諾時期は変わっていないことが問題として挙げられます。
そのため、新卒採用は長期化し、年間採用を実施しなければならないケースも少なくはありません。
改善策としては、SNSの活用やダイレクトスカウトなどの手法を、戦略的に活用していく必要があるでしょう。
採用マーケティングのメリット6選
採用が複雑化した現代では、採用マーケティングを用いることで情報を整理することができます。この章では、採用マーケティングのメリット6つについて解説していきます。
- 採用市場に対応可能
- 潜在的なターゲット層にも認知
- ターゲット人材の応募増加
- 自社の求める人材の発見
- 早期離職を防止
- 採用コスト削減
採用マーケティングの導入を考えている企業の採用担当者は必見です。
1.採用市場に対応可能
採用マーケティング導入のメリットは、採用活動の効果的な戦略を立てられることです。
従来の広告では、ターゲットを絞らずに求人掲載することがほとんどでした。ほかの求人投稿に埋もれてしまい、そもそも求人を見てもらえないことが多々ありました。
採用マーケティングでは、ターゲット層を絞り求職者の価値観に合わせた採用を行うことができ、より求人効果が見込まれます。
そのため、他の求人に埋もれずに求職者に見つけてもらいやすくなります。
2.潜在的なターゲット層にも認知
すぐに転職を考えていない、転職潜在層にも認知を広げることも可能です。
求職者は、いつ何がきっかけで転職を考えるかわかりません。
そのため、企業側は人材が欲しいときだけ求人掲載するのではなく、自社の社員や福利厚生など、求職者が欲しい情報を継続的に発信することでターゲット層への企業認知を広げることができます。
3.ターゲット人材の応募増加
採用マーケティングを用いることで、自社に適した人材の応募を加速させることができます。
採用マーケティングは自社の魅力を継続的に発信するため、早い段階で企業認知と理解が得られるのが特徴です。求職者が応募したときに、企業の働き方や文化を一定理解している状況を作れます。
また、今まで届かなかった転職潜在層や退職者、選考参加者にもアプローチでき、結果的に確度の高い応募者数が増えます。
4.求める人材の発見が可能
採用活動において、自社が採用したい人材を見つけることは必須です。企業の文化や社風に適さない人材を採用してしまうと、組織作りに悪影響を与えてしまうリスクもあります。
採用マーケティングでは、採用したい理想の人材像(ペルソナ)を設定し、自社に合った求職者に絞って計画的にアプローチをするため、意欲のある求職者を採用することができます。
5.早期離職を防止
採用マーケティングは、内定辞退者や早期離職者を事前に防止することも期待できます。
求職者の人柄やキャリア志向が、社風や経営方針の価値観に近い人材を採用することで、内定辞退や早期退社のリスクを抑えることができます。それにより、退社後に発生した人員不足の状況を減らすことができます。
また、意欲的な人材が多い傾向にあるため、将来的に大きな成果を残せる人材に成長することも期待できます。
6.採用コスト削減
ここでは、採用コストが削減できることについて解説します。
採用マーケティングを用いることによって、時間や資金などの無駄な投資していた部分を見直すことができ、結果的に費用を抑えることができます。自社に最適な採用方法を見つけることができれば、それを繰り返し使うことも可能です。
また、内定者の定着率増加もコスト削減につながる理由です。採用マーケティングは自社に合った人材に絞って採用活動をおこなうため比較的定着率が高く、すぐに離職する労働者も少ないことも特徴です。そのため、新たに人員の募集をかける必要がなくなり、コスト削減が期待できます。
採用マーケティングのデメリット2選
採用マーケティングを行う上で、ある程度のリソースを割かなければなりません。ここでは、採用マーケティングのデメリットについて2つご紹介します。
- 人事の負担が増加する
- 効果が出るまでに時間がかかる可能性がある
採用マーケティングの導入を検討している企業は、抑えておきましょう。
1.人事担当者の負担が増加する
採用マーケティングでは、上流から下流まで戦略を立てながら採用を行います。
そのため、採用マーケティング初心者の人事担当者は、従来の採用に加えて戦略立案やワークフレームなど、新しい手法に対応しきれない可能性があります。
結果として、人事担当者の負担が増加することもあります。
対策としては、早い段階から担当人員の補充や代理店への業務委託など、職場のリソースに余裕を持たせておくことが必要です。
2.効果が出るまでに時間がかかる可能性がある
応募者を獲得できるまでに時間がかかるデメリットがあります。
特に、SNS採用では継続的な情報発信で認知を獲得する必要があります。応募者を獲得するまでに時間がかかり、確実に効果が出るとは限りません。企業認知の獲得は、多くの人事担当者が頭を抱えている問題でもあります。
「Kaiketsu」では、InstagramやTikTokなどのSNS運用代行も行っています。企業の条件に合う手法や予算で採用を展開しております。
SNS採用でお困りの企業はコチラから、ご相談ください。
採用マーケティング導入:5つのステップ
採用マーケティングを始めるためには、いくつかのステップを踏まなければなりません。以下では、採用マーケティングを導入するステップを5つご紹介します。
- 自社分析と理解
- ターゲットとペルソナ選定
- 採用ターゲットのニーズ調査(キャンディデイト・ジャーニー)
- 採用施策の検討と実施
- データの分析・改善
採用マーケティングを利用する際は、理解しておきましょう。
Step1.自社分析と理解
自社分析と理解を広げることは採用マーケティング導入の第一歩です。経営理念・事業計画などの自社の分析を行うことができます。
- 3C分析
- SWOT分析
ここでは、自社分析方法について以上の2つをご紹介します。
- 3C分析
1つ目は、3C分析をご紹介します。3Cとは、「Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)」の頭文字を取った造語です。
3C分析は、ビジネスの環境分析を行う採用マーケティングのフレームワークです。企業を取り巻くビジネス環境を把握し、どういった手法で求職者にアピールするかを考えます。
- SWOT分析
次に、SWOT分析について解説します。SWOTは、「Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)」の造語です。
SWOT分析は、主に競合他社の環境分析を行います。自社の強みや弱み、機会、脅威を分析することで、現状を明らかにした上で採用戦略を練るフレームワークです。
もっと詳しく「採用マーケティング フレームワーク」について知りたい方は、以下も併せてご覧ください。
採用マーケティング フレームワーク
Step2.採用ターゲットとペルソナ選定
Step2では、採用ターゲットとペルソナ選定を行います。
採用におけるペルソナとは、採用ターゲットとなる理想の人物像のことです。企業が採用したい具体的な人物像を設定しましょう。求職者の「年齢、価値観、企業に求めること」などを具体的に設定することで、高い精度での採用活動が可能です。
ペルソナは、経営層や現場が同一の採用基準を設けることが重要です。社内で採用基準にずれが生じてしまうと、応募率が上がらず内定通過率も下がってしまう可能性があります。
Step3.採用ターゲットのニーズ調査(キャンディデイト・ジャーニー)
ペルソナを設定したら、求職者のニーズ調査を行いましょう。
SNSのアンケート調査や過去の採用データなどを利用し、採用ターゲットがどのようなニーズを持っているかを調査し整理していく必要があります。また、「キャンディデイト・ジャーニー」などの採用フレームワークを使って採用を行うこともできます。
詳しくは、コチラで解説しています。
Step4.採用施策の検討と実施
ここでは、採用の具体的な施策の検討と実施について解説していきます。
- 採用ファネルに応じた採用チャネルの設定
- コンテンツの企画
この2つは覚えておきましょう。
- 採用ファネルに応じた採用チャネルの設定
採用ファネルごとにチャネルを設定することによって、効果的に魅力を伝えることができます。
採用ファネルとは、「認知→興味→応募→選考→内定→入社」の流れのことです。この各段階でペルソナに適した候補者体験(ファネル)の設計が重要になります。
- コンテンツの企画
次は、発信方法を考えましょう。
イベント企画やSNSを用いた魅力の発信、5A理論やAIDMAなどの採用マーケティングのワークフレームが役立ちます。どの求職者に発信していくかを考えながら発信する媒体の選定をする事が大切です。
Step5.データの分析・改善
最後に、実施した採用活動で蓄積されたデータを分析して、改善していくことが重要です。
採用マーケティングでは、求職者のエントリー率や面接の通過率など、これまでの採用データを集めることができ、これらを分析することによって過程ごとに採用率の課題改善につなげることが可能になります。
また、データ分析は無駄なコストを発見し改善することができます。一般的には、採用ページ改定などは作成に時間がかかります。継続してデータを蓄積していくことで、無駄な工数を削減できます。
しかし、短い期間でのデータは信憑性が低いため、長スパンでデータを収集し蓄積していく必要があります。
採用マーケティングのフレームワーク
フレームワークには、枠組みという意味があります。ここでは、採用の目的のために設計されたフレームを用いて、自社の分析や理解を行います。
以下は、活用できる主なフレームワーク9選です。
- ペルソナ分析
- ファネル分析
- 4C分析
- 3C分析
- STP分析
- SWOT分析
- TMP設計
- AIDMAモデル
- 5A理論
- 採用ファネル
- コンテンツ企画
このように、採用マーケティングンのフレームワークは多数存在し、情報整理する必要があります。
以下では、採用マーケティングのフレームワークについて解説しております。ワークフレームがわからない人事担当者は、ぜひご覧ください。
採用マーケティングのフレームワークとは?効果的なフレームワーク10選やおすすめの採用マーケティングを紹介
採用マーケティング手法
近年の採用において、採用マーケティング手法を用いることも効果的です。以下では、採用マーケティングの具体的な手法について4つご紹介します。効果的に利用できれば、採用を加速させることが可能です。
- アグリゲート型の求人サイト
- メディア型の求人・転職サイト
- SNS採用
- 無料掲載での採用(求人カイケツ)
これら以外にも、採用マーケティングには多くの手法があります。自社に合った採用手法を効果的に運用して行くのは難しいものです。
採用マーケティングの手法でお困りの企業は、実績のある運用ノウハウが豊富な代理店の利用がおすすめです。
運用について詳しく知りたい方は、コチラをご覧ください。
【まとめ】採用マーケティングを使った採用
採用マーケティングは、近年急速に注目され始めた採用手法です。労働者が減少の一途を辿る現代では、重要な考え方となっています。
しかし、採用が難しくなった今、計画的に求職者に認知や関心を持ってもらうことが必要です。
「Kaiketsu」では、採用マーケティングを用いた採用活動の支援や運用代行をしています。実績のある採用コンサルタントが、企業の採用課題改善をサポートします。
採用マーケティングで効果を出したい企業は、コチラまでご相談ください。
また、近年採用では、ただ求人票を出すだけの採用が難しくなってきています。ブランディングや社内文化の発信を通じて、求職者にとって魅力的な企業であることをアピールしなくてはなりません。そこで、企業PRの場として活用できるのが、展示会です。
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